桃源郷のような美しいオーベルジュで味わう、粋を尽くしたTOBEスタイル
その土地の食を楽しめる宿「オーベルジュ」が、人気を集めています。「オーベルジュ」とはフランス発祥で、自然豊かな郊外にある、宿泊できるレストランです。
その土地の美味しい食事と自然を求め地方まで足を伸ばし、食事を楽しんだ後には帰りも気にせずゆっくり過ごすことができるスタイル。そんなオーベルジュが愛媛県砥部町にもあります。その名も「TOBEオーベルジュリゾート」。
道後温泉から車で30分、陶芸の里として有名な砥部町。「TOBEオーベルジュリゾート」は、四季によって彩りを変える美しい湖畔に浮かぶように佇んでいます。春には満開の桜が咲き誇り、夏には美しい新緑に包まれ、秋は紅葉に染め上げられ、1年を通して四季の美しさを楽しめます。
客室は、ヴィラが2棟、スイート2室、スタンダード6室の計10室。本当に静かな空間を感じてもらうため、レストラン棟と宿泊棟は別々の山につくられているという贅沢な空間を提供しています。
また、「全てで愛媛を表現する」をコンセプトに建築家、家具デザイナー、アート、器、食材、そしてスタッフに至るまでオール愛媛という徹底ぶり。ここにいるだけで愛媛の素晴らしさを感じさせてくれます。
オーナーの越智仁文氏はもともとオーベルジュが好きで、機会をつくっては国内外のオーベルジュを利用していたそうです。ある日、車を運転していて迷い込んでしまった農道の最後に現れたのが現在、TOBEオーベルジュリゾートが建つ、この場所だったと言います。
湖とその畔に広がる絶景を見た瞬間「運命」を感じたそうです。「ここに自分のオーベルジュがあるイメージが湧いたんです。
それは確信にも近い思い。とはいえ、その頃の越智さんは暮らしていくのに精一杯。昼の本業に夜はアルバイトという生活を送っており、オーベルジュどころではなかったそうです。しかし、気持ちに揺らぎはありませんでした。その土地の25人の地権者を12年かけて説得し、計22年をかけて夢を実現させました。
オーベルジュの最大の楽しみは食事。料理長・水口亮氏が手がける料理のキーワードは「滋味」です。
瀬戸内海の魚介と自家菜園の野菜など、新鮮な地元食材で作り上げる料理は滋味豊かな奥深い味わい。想定1〜2週間とする食材の「真の旬」に徹底的にこだわり、食材そのものの味を楽しんでもらうという贅沢があります。
過度な味付けは行わず、地元食材が最も引き立つ形で調理され提供されます。
自家菜園で収穫された無農薬野菜や、瀬戸内海の魚介などが、シェフの手によって、目にも美しい料理になって食卓を彩ります。
“和心洋技“をコンセプトに地元の食材にこだわり、食材本来の持ち味を最大限に引き出すスタイルは日本料理らしくもあります。
「愛媛には海があり、山がある。せっかくいい土地にいるのですからお客様の「体にいいもの」を追求したいのです。せっかくここまで来て下さったんだから、身も心も安らぎ、少しでも元気になって元の生活に戻って欲しいなと思っています」と越智さんは話します。
そんなこだわりは、近年始めた自家菜園にも現れています。越智さん自身、無農薬野菜を作り始めてから、通常食べている野菜との違いに心から驚いたそうです。
食感や香り、手触りさえも全く異なっており、越智さんだけでなく、普段食材を扱っている料理人たちも違いを実感し、菜園の世話にも力を入れる様になりました。
「最初は畑仕事を嫌がる人もいました。でも実際に自分たちで食べてみて、味の深さを感じたのです」
越智さんがこの地に一目惚れしてから22年の歳月をかけてオープンした「TOBEオーベルジュリゾート」。
そこには普段の喧騒を忘れさせてくれる癒しの空間と四季の絶景、そして旬の食材の美味しさが味わえる、作り手の温かみを感じる料理がありました。