みかんだけじゃない!愛媛はバナナだってすごいぞ

温州、早生、日南…愛媛と言えば、やっぱり果物はみかん。
だけど、いま、それを脅かす存在がフツフツと勢力を拡大しているのを知っていますか?それはなんと…バナナです!

バナナといえば、フィリピンなど熱帯で採れるイメージだけど、愛媛…?さっそく、どういうことか調べてみることにしました。

地元じゃ知らない人はいない、「バナナ」といえばあの看板!

「愛媛」「バナナ」と言われたら、コレを思い出す方も多いのではないでしょうか。一度見たら忘れられない、すっごく印象的な看板のあのお店です。

インパクトありすぎるこちらは、松山市内のローカルスーパー「仙波青果バナナ館」です。SNSでもかなり話題となり、知る人ぞ知る人気バナナスポットとなっています。

バナナ屋さんではないのに、バナナ館。その店名のルーツは、先代の社長にありました。元々は卸業者だった仙波青果が、現在の場所にスーパーとしてオープンした際、先代がバナナを全面的に出すことを決めたそうです。

そしてインパクトある広告となるように、この看板を海外で作り、船で運んできたそう。完成時からかなりのインパクトで、話題を呼んだそうです。

先代が亡くなってしまったために詳細は追いきれませんでしたが、店長は「先代はとても優しい方で、自分たちだけじゃなくみんなで幸せになろうとの想いを持って、この看板を作ったと聞いています」と話してくれました。

看板の側面にはバナナのキャラクターとともに「幸せになろうネ」の文字があります。普通なら集客に繋がる言葉を書きたい看板に、ドカンとそんな一言を書いちゃうなんて、愛がありますね。この看板はもう25年以上この地にありますが、補修を続けて大切にされています。

ちなみに、看板に描かれている男性のイラストは先代のお父さん(現・会長)の似顔絵だそうです。看板商品のバナナはいつも山盛りに置いてあり、平均して1日に150~250房、観光シーズンには1日に500房売れることもあるそうです。

バナナ屋さんじゃないけど、「バナナ店」

さらに調べてみると、「バナナ店」が道後にもあることがわかりました。道後温泉のそばにある、「市川バナナ店」です。

でも軒先にはみかんや野菜も並んでいるし、バナナ専門店ではないみたい…。

こちらはバナナはあるけれど、果物や野菜も並ぶ青果店のよう。一体なぜ「バナナ店」なのか、お店の方に聞いてみたところ、昭和35年ごろに、先代がリアカーでバナナを移動販売していた名残ということがわかりました。

まだまだバナナがとっても高級品だった時代、黄色く甘い果物は大変喜ばれたものだったのでしょう。リアカーから現在の青果店としてお店を構えた時も、その思いを大切にしようと、名前を引き継いだそうです。

景観条例の影響もあって、看板がちょっとシックな感じでオシャレ。そのため最近はSNSにアップされることも多いそうです。道後温泉すぐそばの立地に加えてバナナ1本を100円で買えることもあり、お店ではもちろんバナナが一番人気となっています。最近は外国人の来店も少なくないそう。

愛媛産バナナ、ただいま成長中!

驚いたことに、極めつけは、なんと愛媛でバナナ作りが行われていることが判明!立役者は鬼北町で介護や建設業の会社経営する芝開発の芝祥二社長です。

出典:SMILE IN BANANA

芝さんはバナナを始める前、会社経営の傍らで、父・好つぐ(糸へんに賣)さんの営む水稲栽培に取り組んでいました。

ふと描いたのは「将来的に特産品となって地域の活性につながるもので、農業所得の向上や雇用に繋がるものを育てたい」という思い。何か良いものはないかと探す中で、知人の紹介により、岡山県でバナナを育てていることを知りました。

早速岡山県のバナナ農園へ足を運んだ芝さんは、輸入品がほとんどの中で、皮まで食べられる国産バナナが育てられたら、町おこしにもつながる予感にときめいたのです。

その魅力に手応えを感じ、愛媛でのバナナ栽培を決意しました。町の認定農業者認定証を得て、2017年8月にバナナ栽培を開始。

出典:SMILE IN BANANA

バナナは熱帯の植物なので、寒さ対策には苦労しました。1反(約992㎡)の畑に植えた150本の木を、寒さに負けないように温め、成長を見守る日々。

当初の予定より少し遅れたものの、しっかりと育ち、2018年7月以降には初収穫できる見込みがたっているそうです。

とれたバナナは芝さんの直売やHP上での販売を予定しており、鬼北町の道の駅「広見森の三角ぼうし」での販売も視野に入れているそうです。ご進物やギフト、ふるさと納税の返礼品などの期待も多く、大きな可能性を握っています。

みんなが笑顔になれるように「SMILE IN BANANA」と命名。輸入品とは違って、完熟してから収穫でき、こちらのバナナはなんと皮まで食べられちゃうそうです。ぜひ愛媛産バナナ、食べてみたいですね。

庶民的だけど、大人から子どもまで親しむフルーツ

改めて考えてみると、甘くて、子どもでも簡単に皮を剥いて食べられる…バナナって身近で美味しい果物ですね。高級なもの、しあわせになれるものとして、元来日本には育たなかった果物がこんなに定着した理由がわかった気がします。

看板要素からついに生産にたどり着き、いま、定着し始めていることって素晴らしい!愛媛でバナナ探訪、皆様もしてみてはいかがでしょうか。

 

仙波青果バナナ館伊予店

TEL:089-983-3321
〒799-3123 愛媛県伊予市中村231

市川バナナ店

TEL:089-947-2222
〒790-0842 愛媛県松山市道後湯之町15−2

SMILE IN BANANA

http://www.smilein.co.jp