日本三大栗の1つ!?栗好き必見、愛媛が誇る幻の栗「中山栗」の魅力
秋の味覚の代表格の1つである「栗」。昔から栗はさつまいも・かぼちゃと並んで、女性が愛してやまない食材として、「芋栗南京」と呼ばれ、親しまれてきました。
そんな栗ですが、あなたは栗と言えば、どこの産地の栗を思い浮かべますか!?
長野県の小布施、兵庫県の丹波、そして岐阜県の中津川は有名な栗の産地で、「日本三大栗」と称され・・・ることもありますが、実は小布施、丹波、そして愛媛県の中山の3つで、「日本三大栗」と呼ばれることもあります。
中山栗って聞いたことないと不思議に思った人もいると思いますが、それもそのはず!中山栗は知る人ぞ知る幻の栗なのです。
中山栗の産地は、そのほとんどが中山間地である、愛媛県伊予市中山町。この地で約400年前の16世紀前後から中山栗は栽培されており、江戸時代には大洲藩主であった加藤泰典が中山栗を好み、三代将軍家光にも献上し、大いに喜ばれたとされています。パッケージにも可愛らしい殿様の絵が描かれています。
中山栗の美味しさには2つの理由があります。ひとつは、中山町の地形です。中山町は標高200mから500mの中山間地のため昼夜の気温差が大きく、降水量も安定していることから栗栽培に適しています。
さらにこの地域は結晶片岩を母材とする腐食に富んだ肥沃地である褐色性森林土壌と黄褐色性森林土壌に広く覆われており、栗の育成に適しています。そのため中山栗は一般的な栗に比べてとにかく大きい!という特徴があります。
2つ目に、これだけ栗の栽培に適した地にも関わらず、それに甘んじることなく、長年に渡って、肥料を与える量・タイミングの技術、無農薬栽培の技術等々、様々な改良を加えて、より良い品質の栗を追い求める生産者の方々の探究心があります。
大粒で美味しい中山栗ですが、生産者が減少し、近年の出荷量は最も多かった昭和47年頃と比べて、5分の1(約200トン)程度となっています。そのためあまり県外に出回ることも少なく、幻の栗とも言われています。
幻の栗「中山栗」の中でも特に希少なのが「特選」にランク分けされる極上の栗です。特選中山栗は、技術員が認定した、中山町内でも特に地力が高く、栽培管理が十分にでき、しかも若木園(約10年生まで)のみの園地で栽培される栗のことです。
しかし、この指定を受けた園で栽培された栗が全て特選に認定されるわけではありません。さらに、選果場で評価員が鮮度・熟度等の外観評価と、栗の味を左右する粉質程度を塩水比重でチェックし、この厳しいチェックに合格した栗のみが特選中山栗として販売されることを許されます。栗好きなら一度は食べてみたい幻の栗なのです。
希少な特選中山栗はもちろん、中山栗を使った渋皮煮やお菓子、出来たてのホッカホカ焼き栗を味わうことができる「なかやま特産品センター(伊予市中山町中山)」はまさに中山栗のデパートです。
また、毎年9月には、栗拾い、栗のつかみどりなどのイベントや栗ずしなどの中山栗を使ったグルメが味わえる「なかやま栗まつり」が開催されたり、平成30年8月下旬には「道の駅なかやま」がオープン予定で、中山栗はもちろん中山町の物産品を購入できたり、親子で楽しめる木工体験やそば打ち体験ができるようになります。中山栗を求めて、中山町に遊びに行ってみるのはいかがでしょうか。