盛り上げ上手のクラッカー。実はあれもこれも全部愛媛産!?

「おめでと~~♪」
パーーーーーーーーーーン!!!!
と、お祝いの声と共にその場を華やかに、一気におめでたムードにしてくれるクラッカー。昔から馴染みのあるクラッカーですが、最近のクラッカーは驚きの進化を遂げています!
例えば、昔のようにパーーンと盛大に打ち上げた後、散らばったカラーテープや紙吹雪を掃除する。そんな後の祭りの寂しい想いをもうする必要はありません。最近のクラッカーは簡単にテープを巻き取れるようになっています。

祝砲バズーカと呼ばれる垂れ幕付で紅白のテープが飛び出す、なんともめでたいクラッカーや結婚式などに最適な巨大ボトル型クラッカーなど、クラッカーの型にはまらないユニークなクラッカーが続々発売されています。

こちらのクラッカーはブライダルなどに人気のスペシャルクラッカー。カネコ最大の自慢のクラッカーです。

これら多くのクラッカーが実は愛媛の企業で作られていることをご存知でしたか!?

愛媛県宇和島市のクラッカーメーカー「カネコ」は国内シェア80%を誇るトップメーカーブランド。日本で目にするクラッカーのほとんどがカネコ製と言っても過言でありません。
歴史は古く、創業は1884年。もとは花火製造業で、戦時中には手榴弾の製造をしていました。花火は夏しか売れず、売上が通年で安定せずに困っている時に、クラッカーに目をつけ、クラッカー製造をはじめたそうです。
当時、国内には10社以上のクラッカーメーカーが存在していましたが、その後の円高や中国製の進出に対応できず、多くの企業が廃業や転業を余儀なくされました。
そんな中、カネコは、商品の7割をロボット生産にシフトし、安い中国産にも負けない力を備えたことで、爆発的に成長を遂げます。
カネコの武器はハイテクな製造体制だけではありません。最大の武器は商品開発力!!なんと、現在、商品は一般販売用だけで約170種、OEMも含めると約200種以上にもなります。
毎週行われる部署横断会議で、お客様の声と綿密なマーケティングによって吸い上げたニーズからこれまで多くの新商品を開発してきました。営業部の清家さんによると、
「スタッフは、もともとクラッカーや楽しい事が大好き。普段からあらゆる事をクラッカーに結びつけて考えるくせが付いているので、アイデアは尽きません。」
とのことです。
クラッカーの発祥地はイギリス。現代にも残るクリスマス・クラッカーが原型で、形状は紙で巻いたキャンディ風。紙の両端を2人で引っ張るとパチンと摩擦音がして、中から紙製の王冠などが出てくる仕掛けでした。
これが発展して、今の円錐形の紐を引く仕掛けになりました。そして、さらに日本の愛媛県でさらなる進化を遂げたのです。
カネコが販売しているようなユニークなクラッカーは、なかなか海外でお目にすることはありません。なので、外国の方々をカネコのクラッカーでお祝いすると、きっと驚いて喜ばれます。英語でcrackerには「とても素敵な人、もの」という意味があるそうです。

これまで多くの新しいクラッカーを生み出してきたカネコですが、いつか実現したい夢のクラッカーが山ほどあるそうです。
その中のひとつが「好きなものが飛ばせるクラッカー」。自分で飛ばしたいものを詰め込んで飛ばせたら、きっと楽しいはず!と思いつつ、火薬と安全確保の関係上から、今のところはちょっと難しいようです。

「クラッカーはあくまでも思い出を作るための消耗品。クラッカーを鳴らした一瞬が、思い出になって永遠に残るようなクラッカー作りを目指しています」カネコにとって、クラッカーはあくまでパーティの脇役の位置付けです。ただ、カネコのクラッカーはこれからも主役を輝かせる、最高の立役者とおして音を鳴らし続けることでしょう。