松前町自慢のスーパーフード『はだか麦』が日本のおやつを変える!?

はだか麦はスーパーフードと言っても過言ではない程、栄養価が高いです。特に、食物繊維は白米の10倍以上になります。
「β-グルカン」と呼ばれる水溶性繊維は、血液中のLDLコレステロール値を正常化し、血糖値の上昇を抑制する働きがあり、世界中で注目されています。また、カルシウム量も白米の4倍。白米よりも固めに炊きあがるため、良く噛む必要があり、唾液が出るので消化にも良く、強い歯やあごの育成にも役立つのです。

はだか麦は寒さに弱いため、比較的気候の温暖な西日本で多く栽培されていて、降水量が少ない瀬戸内海沿岸で取れる物が特に品質が良いとされています。愛媛のはだか麦主要産地のひとつ、愛媛県松前町では、元禄から享保(1688〜1735年)頃から水田の裏作として麦類を栽培し、麦飯、麦味噌、醤油、菓子など、さまざまな形で食されました。
かつて麦類の8割ははだか麦で、残りは大麦や小麦でした。高度経済成長期を境に、国産麦の価格が低迷し食生活も変化。麦類で二毛作を行う農家は全国で激減しました。
しかし、松前町では現在もまだまだ二毛作農家が数多く、町の面積の約10分の1は作付面積。主要な特産品となっています。かつての麦畑がある日本の農村の風景は失われつつありますが、松前町の日常には、冬から春にかけてははだか麦、そして夏から秋には稲が、変わらずそよいでいます。
松前町のシンボルとなったはだか麦。「もっとたくさんの人に知ってもらいたい」という思いから、はだか麦を使用したヘルシーなおやつを開発する「芽吹きと実りのはだか麦プロジェクト」が、2016年にスタートしました。町では「はだか麦」を使った商品開発やはだか麦を使った商品を販売する地域のお店を認定店としてPRしています。
「芽吹きと実りのはだか麦プロジェクト」では、地元企業と料理研究家がコラボし、クッキーやお餅などを試作。「はだかむぎゅ」3種が商品化されました。
【はだか麦のおやつ「はだかむぎゅ」】
プロジェクトで誕生した「はだかむぎゅ」は、「押しはだか麦とレモングラノーラ」、「エビとあおさのパイ」、「はだか麦味噌とくるみ餡クッキー」があり、ホームページでレシピも紹介されています。

さらに、松前町内のはだか麦のおやつを食べられる「はだかむぎおやつ認定店」では各店オリジナルのはだか麦スイーツやはだか麦料理を味わうことができます。認定店は6店(2018年4月現在)。農家カフェや洋菓子店、イタリアン、コリアン、とり天など、幅広いジャンルのラインナップで、はだか麦の万能性を感じます。
例えば、洋菓子店「Patisserie Laugh & Rough(パティスリーラフ&ラフ)」では、はだか麦のドーナッツやチーズタルトが販売されています。はだか麦粉と小麦粉の割合を工夫することで、パサパサ感を抑え、しっとりとやさしい味わいのドーナッツ。はだか麦そのものの味わいを感ることができますよ。

グルテンフリーのはだか麦は、本来ケーキ作りには不向きとされますが、その特性を理解して調理すれば、サクサク感や食べた時に崩れるような食感がクッキーやタルト生地には最適だそうです。まだプロジェクトは始まったばかり。目標は、はだか麦といえば松前町」と言ってもらえるレベルまで認知してもらえることです。
健康にも良くて、郷土の誇れる食材を、ひとりでも多くの人に知ってもらい、そして最終的にはだか麦農家の作付面積の拡大に繋がっていくように松前町の挑戦は続きます。
http://www.town.masaki.ehime.jp/